8月, 2010 | CHOCOLATINO ラテンの風
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8月, 2010:

静かな朝、漁師とのセッション

朝起きると目の前は海。
やや肌寒いのですがひとりで海を眺めながら朝食を食べるのが毎日の日課になりました。

海面に霧がかかり、その奥から波の割れる重くて力強い音が聞こえてきます。そして霧の向こうからラインナップされた波が次々と押し寄せ目の前に迫ってきます!風もなくサーフィンするには最高のコンディションですがサーファーはいません。当時は、朝から海に入る習慣があまりなかったようで、午前中は海にほとんど人がいませんでした。南極からの海流で海水が一年中冷たいのと夜型の生活をしている人が多かったので、朝からサーフィンしようという意識はあまりなかったようです。また、いつでも海が空いているからわざわざ朝入らなくてもねー、というゆとりのある時代でもありました。

そうなると、毎朝海にいるのは漁師のマルソーおじさんとCHOCOLATINO二人だけでした。マルソーおじさんは岩場の先端から網を投げ獲物を狙い、浅瀬では仕掛けを持ち込んで海に潜っています。自分はその沖で波に乗っているわけですが、良い波に乗った時の証人がマルソーおじさんだけだったので、

「さっきの波どうだった??」
「あの波はヤバかったね、カミカゼ・アミーゴ!オレも大漁なんだ見ろよこのペスカード(魚)♪」

などと陸に戻るとお互いの成果を話し合ったものです。この時もまだほとんどスペイン語は理解していませんでしたが、理解したつもりにはなっていました。。。

当時は、本当に人がいなかったのでお互いの事を良く覚えています。今でもオジさんと会うとあの時の話になります。最近は、マルソーおじさんの息子が遂にサーフィンをはじめてかなり夢中になっているとか。マルソーJr.も交えた三人のセッションが待ち遠しくなってきました。

静かな夜

借りた小屋は裸電球と小さなベッドがあるだけ。

水道は母屋のタンクから長いホースが繋がっていたのですが、本当に必要な時だけ使う程度の量しか出ませんでした。もちろんトイレもありません。壁は石を積み上げて作ってあるだけなので、スキマ風がかなり吹き込んできて冬の冷たい風が身に染みます。日が沈む頃にはみんな帰ってしまい、辺りは急に静かになり波音とCHOCOLATINOの呼吸だけが聞こえてきます。

それでも、毎晩ワクワクしていました。暗くなると星空がギラギラ輝きはじめ、流れ星がザーザー流れまくり、見ていて全く飽きる事がありません。寒くて長時間外にいることができませんが、星チェックが毎晩の日課になっていました。そして何より、次の日の波乗りが待ち遠しく楽しみで仕方ありませんでした。そんなアレコレであっという間に寝る時間になり。。。

ただ、「ガルガルッ(怒)」と野良犬の雄叫びが聞こえると、ちょっとアセります。。。

引越し

海の外でよく遊んでいた友達にトーニョ君がいました。

トーニョ君ははヒッチハイクで行くサーフスポットの目の前に住んでいました。当時、そのポイントの丘の上周辺数キロの土地は彼の仕事のボスが所有している私有地で、彼らの家以外に建物がほとんどなく家の周りの景色は海と空&自生するサボテン・・とても静かで神秘的な場所でした。ある日トーニョ君とボスを交えて話していたときの事、「ちょうど海の真ん前に小屋があるから、あの小屋好きなだけ使っていいヨ、アミーゴだからッ!」と嬉しいオファー!人がたくさん集まる安宿での生活も楽しいのですが、よりディープに追求したかったCHOCOLATINOには最高のお誘いでした。「明日から来ます!グラシアス!」とその場で即決、新生活が始ったのです。

波乗り以外

チリに来て約1ヶ月。

波のない日は全くありませんでした。サーフィンができない日は波が大きくて潮の流れがキツ過ぎる時だけ・・・・波の下を1回くぐり抜けるだけでカルく100メートルは流されてしまい、元の場所に戻ることができません。この川のような潮の流れはどうしようもなく、みんなでボンヤリと過ごすしかありませんでした。そんな時でも海には人が入れ替わりやってきて、波乗り・仕事・噂話etc ワイワイ喋り倒して帰って行きます。そこでCHOCOLATINOは新しい仲間と出会い、海の中でも外でも人の輪が広がっていくのでした。

下町のナポレオン

チリといえばやっぱワインだよなー、でも一人旅じゃ贅沢できないし・・・・
という旅人達でもスーパーに行くと、ついつい買い物カゴに入れてしまうのが紙パックのワイン。ボトルワインよりさらに安く、1リットル200〜300円程度で購入できます。この紙パックワインを宿の台所で飲みながら旅情に浸る、安宿でよくある光景です。

でも、この紙パックワインは少しでもワインを飲んでいる人ならあまり買わないみたいです。現地の友達に「アレ飲んでんの?アレは絶対ナイ!ナッシング。安いのでよいのだからせめてボトルワイン飲んでくれヨ〜、CHOCOLATINO!」と全否定。確かに数百円プラスして買ってみたボトルワインは素人のCHOCOLATINOにも明らかな違いが分かりました(香り?苦み?渋み?)・・美味い!  がしかし、それなりに酔える下町のナポレオンも捨てがたい・・・葛藤が続く日々です。

*写真は下町のナポレオンこと“ガトーネグロ”(英訳:ブラックキャット!)ガンバレ、ガトー!!

(紙パックにボトルの絵で。。)