朝起きると目の前は海。
やや肌寒いのですがひとりで海を眺めながら朝食を食べるのが毎日の日課になりました。
海面に霧がかかり、その奥から波の割れる重くて力強い音が聞こえてきます。そして霧の向こうからラインナップされた波が次々と押し寄せ目の前に迫ってきます!風もなくサーフィンするには最高のコンディションですがサーファーはいません。当時は、朝から海に入る習慣があまりなかったようで、午前中は海にほとんど人がいませんでした。南極からの海流で海水が一年中冷たいのと夜型の生活をしている人が多かったので、朝からサーフィンしようという意識はあまりなかったようです。また、いつでも海が空いているからわざわざ朝入らなくてもねー、というゆとりのある時代でもありました。
そうなると、毎朝海にいるのは漁師のマルソーおじさんとCHOCOLATINO二人だけでした。マルソーおじさんは岩場の先端から網を投げ獲物を狙い、浅瀬では仕掛けを持ち込んで海に潜っています。自分はその沖で波に乗っているわけですが、良い波に乗った時の証人がマルソーおじさんだけだったので、
「さっきの波どうだった??」
「あの波はヤバかったね、カミカゼ・アミーゴ!オレも大漁なんだ見ろよこのペスカード(魚)♪」
などと陸に戻るとお互いの成果を話し合ったものです。この時もまだほとんどスペイン語は理解していませんでしたが、理解したつもりにはなっていました。。。
当時は、本当に人がいなかったのでお互いの事を良く覚えています。今でもオジさんと会うとあの時の話になります。最近は、マルソーおじさんの息子が遂にサーフィンをはじめてかなり夢中になっているとか。マルソーJr.も交えた三人のセッションが待ち遠しくなってきました。