6月, 2010 | CHOCOLATINO ラテンの風
CHOCOLATINO  ラテンの風 Rotating Header Image

6月, 2010:

幸運な出会い

翌日から毎日波乗り。町中から海岸へ出て湾の先端まで歩いていくと理想的な波が割れています。メチャメチャ良い波なのに海の中ではほとんど人がいません。。サーフィン自体は70年代後半〜80年初め頃から行われていたようですが主に海外から訪れる一部のサーファーの楽しみだったようです。

初めて訪れた当時もまだ地元サーファーは少なく数十人程度だったと思います。今日はアイツが海にいるけど、アイツ来てないね〜、でも後から来るって、と全て把握できるくらいみんながクラスメートのような濃密な繋がりがありました。当然ながら海で毎日顔をあわせていると、アジア顔でニューフェイスのCHOCOLATINOはどうしても目立ってしまいます。どこだか分かんないけど地球の反対側でウォークマンや家電製品とか車を作るのが得意な国にもカンフー(よくジャッキー・チェン呼ばわりされた。。)ではなく波乗り好きなヤツがいて、わざわざこんな場所までひとりでサーフィンするためにやってくるのだな、オモシロいね世界のヘンタイだねー、と珍しがられ喜ばれていました。彼らの世界に対する好奇心とオープンな性格、ヘンタイ呼ばわりのおかげですぐにみんなと仲良くなることができました。

まだまだサーフィンがマイナースポーツだった当時のチリでは、周りからは地元サーファーは変わり者だと思われていたようでもあります。彼らは真っ先にCHOCOLATINOを仲間として受け入れてくれました。とにかく海や波乗りが好きでなんとか続けていきたい、という想いを共有できたからでしょう。もっとサーフィンが上手くなって、みんなでたくさん良い波に乗り続けたい、と前向きなエネルギーがみなぎっていました。彼らと仲良くなってからは海でも陸でもいつも一緒でした。そして幸運だったのが、彼らがこの町で海と共に育ちサーフィンをはじめた最初の世代だったということです。みんな若くてお金がないので穴だらけのウエットスーツを着て、古く変色した中古の板を折れてもくりかえし何度も修理しながら大事に使っていました。無駄な偏見がなく本当にサーフィン大好きな人間だけが海にやってきて楽しんでいた時代でした。夜は夜でフィエスタで忙しい幸せな時代。

この後ひたすらサーフィンしまくる日々がしばらく続きます。その時は、まさか彼らがチリのサーフィン史を創っていく人達になるとは思いもしませんでした。

NGENとは?

お客様からお問合せのあるANERのロゴNGENについてです。

南米のマプチェ語のNGENとは、自然界の場所や現象、そして自然そのものに宿るエネルギーや精霊のことを表しています。マプチェの考えてはで自然界の全てのモノコトに魂やエネルギーが宿ると考えられているそうです。例えば、森や湖、山、草花、そこで暮らす生物全てにそれぞれNGENが存在し、彼らは常にNGENのエネルギーを感じながら生活しているというワケです。

この風景からNGENを感じとってくださいませ。。

商品のお問合せはCHOCOLATINOお問合せフォームまたはコチラからどうぞ。

小さな森

しばらく森の中を走り続けると、その先端に海と小さな町が見えてきました。車掌さんが外を指差し声をかけてくれ、降りるよう促されました。どうやらココが目的地のようです。荷物を受け取り、海へ向かって歩いていくと、凄い数の人達がジッとコチラを見つめています。どうやら日本人をはじめアジア人をほとんど見た事がなく、珍しがっているようです。いろいろ話しかけられるのですが全く理解できず「ハポン(ニホン)!」というと、ひとまず納得して遠ざかっていきます。。。

丘の上に車1台が通れる程度のメインストリートがあり、両脇に小さなお店が建ち並んでいます。大きなスーパーなどなく肉屋、八百屋、パン屋、魚屋、酒屋、床屋、バー、レストラン、電話屋、洋服屋・・・この周辺だけは熱を帯びていてワクワク活気があり、この町の中心だということが分かります。学校帰りの子供がベンチに腰掛け、大人は買い物など用事を片付けるのにたくさん集まってきます。ただ、メインストリートから外れると手作りのカラフルな家が建ち並びひっそりと静かな印象。土の道路には砂埃が舞い上がり、野良犬と馬の大きなウンチが数メートルおきに落ちているくらい。

丘から見える海には、波が奇麗にラインナップされ理想的な形をつくり、音をたて崩れています。こんなに長く乗れるのか、ここの波は。。ニュージーランドにはいたものの日本での一般的な波乗りが中心だった自分には新鮮な光景でした。チリの波、チリの人柄に触れはじめ、地球の反対までやってきなのだなー、と実感&ヤル気、他にもイロイロみなぎってきました。

さらに歩き続け荷物の重さにも耐えられなくなった頃、リーズナブルな雰囲気の民宿風の宿を発見。海にも近いのでココに落ち着く事に。「泊まりたい」と伝えるだけでかなり時間がかかりましたが、とにかく一番安い部屋をゲット。窓もなく一日中真っ暗で寒い部屋ですが、とにかく安いのとキッチンさえあれば当時は気になりませんでした。

荷物を降ろしお茶を飲みつつ空を眺めていると、馬のウンチの匂いが心地よく感じられるようになってきました。イロイロが日本みたいに整備されているわけではないけど、その隙に優しさがあります。「小さな森」と呼ばれるこの町をCHOCOLATINOが好きになり始めた瞬間でした。