小さな森 | CHOCOLATINO ラテンの風
CHOCOLATINO  ラテンの風 Rotating Header Image

小さな森

しばらく森の中を走り続けると、その先端に海と小さな町が見えてきました。車掌さんが外を指差し声をかけてくれ、降りるよう促されました。どうやらココが目的地のようです。荷物を受け取り、海へ向かって歩いていくと、凄い数の人達がジッとコチラを見つめています。どうやら日本人をはじめアジア人をほとんど見た事がなく、珍しがっているようです。いろいろ話しかけられるのですが全く理解できず「ハポン(ニホン)!」というと、ひとまず納得して遠ざかっていきます。。。

丘の上に車1台が通れる程度のメインストリートがあり、両脇に小さなお店が建ち並んでいます。大きなスーパーなどなく肉屋、八百屋、パン屋、魚屋、酒屋、床屋、バー、レストラン、電話屋、洋服屋・・・この周辺だけは熱を帯びていてワクワク活気があり、この町の中心だということが分かります。学校帰りの子供がベンチに腰掛け、大人は買い物など用事を片付けるのにたくさん集まってきます。ただ、メインストリートから外れると手作りのカラフルな家が建ち並びひっそりと静かな印象。土の道路には砂埃が舞い上がり、野良犬と馬の大きなウンチが数メートルおきに落ちているくらい。

丘から見える海には、波が奇麗にラインナップされ理想的な形をつくり、音をたて崩れています。こんなに長く乗れるのか、ここの波は。。ニュージーランドにはいたものの日本での一般的な波乗りが中心だった自分には新鮮な光景でした。チリの波、チリの人柄に触れはじめ、地球の反対までやってきなのだなー、と実感&ヤル気、他にもイロイロみなぎってきました。

さらに歩き続け荷物の重さにも耐えられなくなった頃、リーズナブルな雰囲気の民宿風の宿を発見。海にも近いのでココに落ち着く事に。「泊まりたい」と伝えるだけでかなり時間がかかりましたが、とにかく一番安い部屋をゲット。窓もなく一日中真っ暗で寒い部屋ですが、とにかく安いのとキッチンさえあれば当時は気になりませんでした。

荷物を降ろしお茶を飲みつつ空を眺めていると、馬のウンチの匂いが心地よく感じられるようになってきました。イロイロが日本みたいに整備されているわけではないけど、その隙に優しさがあります。「小さな森」と呼ばれるこの町をCHOCOLATINOが好きになり始めた瞬間でした。

Comments are closed.